D 学生牢

●旧大学校舎の裏側の通りは、「アウグスティーナー・ガッセ」
(Augstinergasse) というが、ここに以前のままに保存されているのが、有名な学生牢である。昔は、ハイデルベルクの町はは大学の構内の一部でということで、治外法権であった。だから、学生がいろいろ問題を起こしても警察が介入できんかった。そこで大学当局は、自ら学生を処罰する牢屋を作った。

●学生牢が、実際に使われていたのは、1712年から1914年までの約200年間で、どういった学生が入っていたかというと、一言でいうと、行儀の悪い学生であった。深夜、町の人の迷惑を顧みずドンちゃん騒ぎをしたり、酒場で仲間と小競り合いをしたりして椅子やテーブルを壊した学生。時には警察にたてついて、そのために牢屋に入れられる骨のある学生もいた。だから、ここに入ることは、カッコイイというか名誉なこととされ、卒業までに一度は、入りたいと当時の学生は考えたという。

●どのくらいの期間、この牢屋に入っていたかというと最低3日間、長い人で4週間という記録もある。最初の3日間は、パンと水のみ、4日目からは差し入れも許された。

●学生達は、ここに入った記念に自分の似顔絵を、当時の流行であった影絵として描き、自分の名前を落書きとして残した。影絵の多くに帽子も描かれているが、帽子はその学生が所属した学生クラブ(Bruchenschaft)のもので、この帽子が日本に入って、学生帽の原型になったといわれる。落書きする壁のスペースがなくなってくると、友達に肩車でもしてもらったのだろうか、天井にまで、ろうそくのすすを使って描いている。

●学生達は、ひとつひとつの部屋に「サンスーシ」「グランドホテル」と優雅な名前をつけている。トイレは、「戴冠の間」とあり当時の学生のユーモアのセンスがわかろうというものである。タブロイド版の写真が、部屋に飾れているが、これは150ー160年前の学生のもので、写真が出回るようになって、落書きの代わりに、写真を持参してきて、自分の入牢の記念においていったという。

●牢屋の隣は、大学の校舎であり、授業に出ることは奨励されていて、授業が終わると管理人が赴いて、学生を学生牢に連れ帰ってきた。入牢している本人達は、けっこう行き来ができて、おもしろおかしく、このおしおきの数日間を過ごしたという。むしろ滞在が延びれば延びると、本人は自慢で、それは、「男の勲章」であったという。

学生牢 (Studentenkarzer)
場所:Augustinergasse, Alte Univesitaet
電話:(06221) 54 21 63
入場料:5 DM
開館時間:4月-10月 月-土 10-16時
       11月-3月 火-金 10-16時


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