亡き父のヨーロッパ 1967年 ミシン組合ヨーロッパ視察旅行

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亡き父のヨーロッパ 1967年 ミシン組合ヨーロッパ視察旅行

私の父は、もう十数年前、77歳で亡くなりましたが、実家に帰った折、父の古いアルバムを、改めて見る機会がありました。
父が、若い頃、叔父が興したミシン会社で、働いていた折に、ミシン組合のヨーロッパ視察旅行に参加したものを記したもので、それについて父と話したことを、思い出しました。

今から50年前、何と、1967年のことです。
ちなみに、1967年といえば、百貨店が開店し、東京キー局,カラーテレビ本放送開始!
ミニスカートが、流行し、グループサウンズが、席巻した時代、ちょうど朝の連続ドラマ「ひよっこ」の時代と言っていいでしょう。

この年、日本航空が、世界一周線の運航開始した年というから、よっぽど、このミシン組合は、新しもの好きで、好奇心が旺盛だったのでしょう。各社の若手のホープが、見聞を広めるために、送り込もうという計画でした。

父は、当時、37歳でした。幸運にも、叔父の計らいで、参加させてもらうことになったようです。
詳しい旅行行程は、もうわからないのですが、父の話と、残っている写真を総合すると、一行は、3週間近くイギリス、フランス、オランダ、ドイツ、スイスとヨーロッパを回ったようです。

今から、50年前のこと、誰もが、気軽に海外旅行に出る今では、信じられないとかもしれませんが、空港で、関係者総出の見送りを受け、それこそ、水杯で、乾杯を行っての末、飛行機に乗り込んだということです。

参加者は、いわゆる昭和ヒトケタ世代。
戦後、しゃにむに働いてきた世代にとって、2日がかりでヨーロッパにたどりついた一団に、ヨーロッパは、どう映ったことでしょう?
父を含め、もう生きている人はいません。

個人的なことで、「お役立ち情報」には当たらない情報かもしおれませんが、視察旅行で、心ときめかせてヨーロッパを訪れた世代の記録として紹介したいと思い立ちました。

これが、全体写真です。総勢18名。エール・フランスのボーイング707の前で。
1967/9/2とあります。

手配は、日通旅行だったということです。この手のものは、いわゆる視察旅行=テクニカルビジットと言われるものです。
観光も盛り込まれていますが、工場見学も入っているし、国はまたがるし、各社のNo2あたりが参加しているし、添乗員としては、気をつかったに仕事だったに違いありません。

昔、添乗員だったことのある私は、その苦労が、想像できます。
しかも、なんといっても50年前のこと、今ほど、現地との連絡、交渉は、今より、スムーズにいかないこともあったに違いありませんが、プロの添乗員のハシリの日通旅行の添乗員さんは、とても、一生懸命、駆け回る方だったようで、父は、添乗員さんには、すごく良くしてもらったと、何度も語っていました。

父たちは、ミシン屋さんだから、当然ミシンメーカーの視察に行きました。
この2枚の写真は、名前は、失念したらしいが、ドイツ・カールスルーエのミシンメーカーでのものです。

当時最新のミシン。縫い子さんが、ミシンを踏む手を止めてにこりとしてくれたところをパチリ。
まだまだ、日本は、足踏みミシンだったのが、電動ミシンなので、驚いたそうです。

男性たちが、持っているのは、ミシンの鋳型。これは日本製だったそうです。
日本は、鋳物が大の得意の製造業立国ですものね。父たちが、誇らしげに見えます。

特に、車は、製造業の要なので、1989年創立で、老舗の自動車メーカー、フランスの「ルノー」社を、訪問し見学。

ルノーのスポーツカー

昔から、ルノーのスポーツカーは、かっこよかったのだとわかります。

ルノー社 工場社内

エンジンの組立て作業

プレス作業工程

ボディ製造工程

塗装作業

大型自動車のエンジンテスト

完成品になるまでに、様々な工程で働く工員さんの努力があるのがわかります。

フランスの後は、ドイツに入って、ライン川下りを楽しんだり、ビアレストランで、メンバーの皆さんとビールを飲み交わしたりしたようです。

ライン川下りをする父を見て、不思議な感慨を持ちました。
その10数年後、娘の私が、ドイツに渡り、観光ガイドとして、何度となく、ライン川下りを、お客様に案内した経験を持ったからです。
あの頃から、「ライン川下り」は、ドイツ観光のハイライトで、ビアレストランで飲むのも、今も昔も、ドイツ観光のなくてはならないお楽しみだと改めて思いました。

それから、ドイツに入ってから、父たち一行は、フォルクスワーゲン社を、見学しています。

全景

ニーダーザクセン州のブラウシュバイク(Braunschweig)のフォル工場の壁に、フォルクスワーゲン社のロゴが見えます。

フロントドア制作工程

プレス工程

ボディ形成行程

ボディ組み立行程

ボディとシャーシ(その他の部分)の取り付け作業

塗装

生産された車

車には、まったく、うとい私にでも、50年前から、フォルクスワーゲン社が、最先端の技術を使って、車を作っていたということが、感じられます。月に2500台の車を、この工場で生産していたということです。

父は、フォルクスワーゲン社を見学して、車の生産のラインが、広々としていて、工場で働く人たちが、ゆったりと仕事をしていることに驚いたと言っておりました。それと、彼らが、お昼休みでもないのに、休憩時間に、パンを取り出し、むしゃむしゃと、ラインの横で、食べだしたのには、心底びっくりしたそうです。
日本では、工場内では、職人肌というのか、作業する場は、一種改まった場だと考えていたので、食べたり、飲んだりするなんて、考えられないと思ったとのことです。

さて、父にとって、一番思い出深いのは、一人ツアーから、離団して、自社の取引相手であったカールスルーエににある老舗ミシンメーカー グリッツナー (Gritzner)に単身、訪問したことだと、懐かしそうに語ってくれました。
日本語を片言しゃべる中国人が、通訳についてくれたらしいのですが、相当に頼りなかったようで、うまく、コミニュケーションが取れずに、困ったそうですが、相手先は、はるばる日本から訪れた顧客を、丘の上のレストランで、歓待してくれたそうです。
ドイツの田園風景を見ながらのランチや、現地のドイツ人と過ごした時間は、何より思い出に残っていると、父は、話してくれました。

離団して行動した1日のこと、外国で、招待を受けて行くといっても、とても勇気をふりしぼって、緊張しながらのことだったろうなと想像します。それだけ、父の記憶に、深く刻まれたことを、父の話しぶりから、理解できました。

さて、最後の訪問国となったスイスで、父たち一行は、春祭りのパレードに、運よく遭遇したようです。
お祭りというのは、各国共通、心躍るものです。
それが、外国で、偶然に、見ることができ、どれほど嬉しかったでしょう。

スイス人のパレードは衣装を着ていて、こういうのを間近で見たのも父たちは初めてだったろうし、夢中で写真を撮っています。
父たちに、気が付いて、花を持った人が、父たちに笑顔を向けてくれています。

行進していく子供たちの姿が、ぶれているのもご愛敬。

本物の馬が引く馬車にも、父たちは、その迫力に圧倒されたことでしょう。馬の落とし物も目立ったようで、パッチリ、写真に撮っています。
日本のおじさんたちは、本当にカメラ好き。父たちは、最前列に陣取って、お祭りを撮ろうと待ち構えています。

馬の落とし物の写真にある「BUCHRER ブッヘラー」の看板の文字は、有名なスイスの時計屋で、ここは、チューリッヒの目ぬき通りのバーンホフシュトラーセだと思われます。

スイスでは、会社訪問もなかったようで、リラックスした写真が残っています。
おそらくユングフラウヨッホの登山鉄道にでも乗った際、スイスらしい田舎レストランで、撮った写真が、たくさんありました。
なぜなら、家庭的なレストランで、そこのおかみさんや、幼い息子さんや娘さんたちと楽しいひと時を持ったからなのでしょう。

言葉も、そんなに通じなかったでしょうが、日本人のおじさんグループを見るのは、スイスのレストランの人たちにも、珍しかったのでしょう。喜んで一緒に、写真に入ってくれる無邪気な子供たちに、日本のおじさんたちは、ふるさとに残してきた妻子を思い出したのかもしれません。視察旅行は、訪問先もあり、通常きついスケジュールで動くものです。
こんな風に、現地のレストランの家族と、和やかな時間を持ったことは、父たちに、かけがえない思い出を与えてくれたことでしょう。

父たちの一行は、視察の時も、観光のときも、どこでも、みんな、背広を着て、コートという堅苦しい格好だなと思い、それについて、聞いてみると、それぞれが、会社を背負ってきているのだから、紳士的にふるまわなくてはと、そして、他の人に迷惑をかけないようにということに、互いに、気配りしていたという答えが返ってきました。
企業戦士の集まりだからでしょうね。みんなが、協力しようという空気があって、スムーズに、事が運んだということでした。

父たちは、視察場所以外に、もちろん、訪ねた名所・旧跡を、バシャバシャ撮っていましたが、私が目をひいたのは、父たちが、現地の子供たちと、何気なく写真に納まっている姿でした。

バス移動の際や、休憩の際、カメラを向けても、嫌がらず、普通にふるまってくれた子供たちの普段の姿が、印象に残りました。
子供らしい姿と、それを見守る日本のおじさんに、暖かいものを感じます。

父が、撮ったものに、乳母車に乗った赤ちゃんの写真もあります。

手を振るお母さんが、美人だったかから、カメラを向けたのかもしれません(笑)
女性のスカートの長さに、時代を感じますね。

私が、一番好きな写真は、父が、鳩に餌をやっているところに、子供たちが寄ってきて一緒に収まっている写真です。

父たち企業戦士の一団は、一様に、ヨーロッパの町並みの美しさ、豊かさに、魅了されたそうです。
最新の技術を誇る企業訪問には、圧倒される思いがしたそうです。

そして、毎日、懸命に、朝から晩まで働く自分たちにはない、ゆったりした時間の流れが、何よりうらやましいとも感じたそうです。

社命ともいえるヨーロッパ視察に参加した父たちの緊張、好奇心、あこがれには、今、気軽に外国に行けてしまう私たちには、薄れていると感じます。

50年前に、父が見たヨーロッパのアルバムのことを、聞いたのは、もう父が晩年のことで、父も、細かいことは忘れていましたが、一緒にアルバムを見て、話しを聞いておいてよかったと心から思っています。

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