【ショップ ダンケ】は、エルツのクリスマス雑貨を扱うにあたって、フランクフルト、ライプツイッヒの見本市に通いました。
出展者も、商品を並べたブースを多くの業者に見てもらい、名刺を交換し、何とか取引につなげたいと願っています。
私は、バイヤーとして、これぞと思った工房とは、つたないながらも、自分の思いを伝えるように心がけました。
実際に、ザイフェンの街にまで出かけて、工房を訪れる機会も得ました。
基本的には、その工房の運営者か担当者と、直接会った工房と取引をするのが、【ショップ ダンケ】のスタンスです。
それが、信頼関係を築いて、取引をスムーズにするからです。そのなかでも、特に親しくなった工房を、紹介したいと思います。
今回取り上げるのは、グラウプナー工房です。
創業者の娘 エリザベス・グラウプナーさんに、工房のことを語ってもらいました。
創立から今にいたる歴史
エルツ山地の西側クロッテンドルフに、1986年創立、当時、東ドイツであった自宅の地下を工房にしていました。
まだ、ドイツ統一前で、社会主義国家の権力下にあった頃です。
当時は、家族経営で、小規模経営であるので、自営が、許されていました。卸業者も、特定の業者に限られていました。
しかし、私たちのような工房と卸業者の流通は、社会主義国家主義の管理下から免れていたのは、ラッキーでした。
東西ドイツ統一が成し遂げられて、木工産業に未来を感じて、父は、機械工学と木工の両方のマイスターとして、モノづくりの意欲に燃えて、グラウプナー ホルツミニアツーレン「Graupner Holzminiaturen」として、母と共に、ドイツの会社として再出発しました。
2015年からは、娘である私、エリザベスも、会社の運営に、加わっています。
現在では、くるみ割り人形のお香として有名な「クロッテンドルフ」の昔の工場を、リノベーションして快適な工房に生まれ変わらせ、そこで、10人の従業員と、一緒に働いています。
工房としての特徴
私たちの主力製品は、クリスマスのオーナメントです。
オーナメントの種類の多さにおいては、エルツの工房のなかでも、群を抜いていると思います。
さらに、商品ラインは、多岐にわたり、クリスマスピラミッド、煙出し人形、オルゴール、シュビップボーゲンを含めると、400種類ほどの製品を生産してきました。パーツとしては、5000種類を、倉庫に保管しています。
ひとつのオーナメントでも、たくさんの小さなパーツを使って、オリジナルな形にこだわり、何より、特徴なのは、明るく、カラフルな色使いだと、自負しています。
赤、青、緑、黄色といった原色を、木目の見えるつや消しの塗りで、仕上げています。
そのことにより、明るさに、軽やかさと温かさを、プラスしています。
伝統的な技法を大事にしながらも、今の時代・今の感覚に合った雰囲気を出すように、心がけています。
私たちは、可能な限り、製品の製造過程に、地元の企業を巻き込み、街の発展に寄与したいと思っています。
ドイツの中では、経済的に弱いと言われるエルツ山地にあって、手工芸品制作は、街を活性化させると信じています。
誠実な仕事をし、クリスマスシーズンだけでなく、長期的な展望を持って、世界に向けて、私たちの製品を、紹介したいと思います。
【ショップ ダンケ】とは、フランクフルトの見本市で、知り合って以来、取引があり、今回、東京ビッグサイト「インテリアライフスタイル」に出るにあたって、駆け付けてくれました。これからも、良き信頼関係を築いていきたいと思っています。
エリザベス・グラウプナー